2019年10月、GoProから360度動画撮影が可能なアクションカメラ「GoPro MAX」が発売されました。
ドローンで有名なメーカーDJIの「OSMO Action」をはじめ、新作アクションカメラで活気づいているこの業界。
「え、GoPro MAXを知らないなんて、人生損してますよ? 」
なんてことを言われないよう、本機がどのようなアクションカメラなのか特徴や魅力、実際に使ってみた感想をお伝えします!
もくじ
GoPro MAXとは
GoPro MAXとは、2019年10月25日にメーカー「GoPro」から発売された最新のアクションカメラです。
特徴はなんといっても360度動画撮影ができること。基本性能も高く、業界トップクラスの手ブレ補正機能も備えています。
しかも360度撮影だけではなく、通常のアクションカメラとしても利用できる点も大きな特徴の1つです。

さてそんなGoProですが、主力ラインナップはもはや定番のアクションカメラ「GoPro HEROシリーズ」といいます。
その最新機GoPro HERO8はGoPro MAXと同日に発売されており、MAXを買うべきかHERO8を買うべきか、はたまた前述のOSMO Actionにすべきか迷っている方も多いことでしょう。
そんな方のために、まずはGoPro MAXの基本スペックと魅力を解説していきます!
GoPro MAXの基本スペックと魅力|
GoPro MAXの機能で、とくに私が「これはいい!」と思うものをまとめました。
- 5.6K/30fpsの高品質な360度動画撮影
- 通常のGoPro HEROとしても使える「HEROモード」
- 自撮り中でも撮影画面を確認可能
- HERO8より強力な手ブレ補正「Max HyperSmooth」
- GoProアプリによる手軽なリフレーム(360度データから通常の動画への変換)
- 折り畳み式フィンガー内臓
- 臨場感あふれる360度オーディオ
360度撮影はもちろんのこと、それを可能にするデュアルレンズ(後ほどじっくり解説します!)を活用した機能が目立ちます。
これで価格が61,000円と、360度撮影ができるのに他と比べて1万円前後の差しかないのはお得ですね。

これ以外にも書ききれない高スペックがたくさん!細かい仕様の解説は別記事にて解説予定です。
とくに「360度動画撮影」「HEROモード」「自撮り中でも撮影画面を確認できる」の3点は要チェックです!
圧倒的体験!360度動画撮影
360度動画撮影とは、その名の通りカメラの周囲360度の映像を撮るというもの。
まずはこちらの動画をご覧ください。
この動画、カメラの向きが頻繁に動いているように見えます。
しかし実際はカメラは全く動かさずに固定して、そのまま滑っています。
360度動画データを使用して、自分で自由にフォーカスする対象やアングル、ズーム位置を決めて作り出した映像なのです。

360度動画データは、撮った映像が球形になっていて、スマホでグルグル見回せるだけだと思っている方が多いですが、それだけではないんです。
最大の魅力は360度データを元にして自分の好きなように映像を作り出せることなんです。
参考に、下の左右の動画は同じ360度データから作った映像です。
私はこの、「あとから自由自在に動画を作れる」という点にロマンを感じ、購入を決意しました。
360度撮影だけじゃない!通常のGoPro HEROとしての撮影も可能
GoPro MAXは360度撮影だけではなく、「HEROモード」によって通常のアクションカメラとしての撮影も可能です。
それが可能なのは、本体の前面と背面に合計二つのレンズがあるからです。(これらを合わせてデュアルレンズといいます)
前方と後方の映像をそれぞれ別のレンズが担当し、それをつなぎ合わせることで360度撮影を行っているのです。

シンプルに言えば、「HEROモード」とは前面もしくは背面どちらかのレンズだけを使用して動画撮影をするモードということです。
360度モードとHEROモードの切り替えはとても簡単です。

この赤い矢印のボタンを押すだけで切り替えられます。
YouTuberには必須機能!自撮り中でも撮影画面を確認できる
GoPro MAXは通常の撮影時だけでなく、自撮りしている最中でも映像を確認しながら撮影ができます。

これはレンズが二つあるからこそできることなんです。
自撮りのときは背面レンズで撮影し、同じく背面にある液晶で確認しながら撮影できるということです。
この機能が地味ながら非常に便利です。そうすることで、
- 撮影できていると思ったら電源がOFFになっていた
- レンズにほこりや汚れがついていた
- 被写体にフォーカスがあっていなかった
などのようなミスも防げます。
とくに自分を撮影するYoutuberやVlogerにはぜひとも欲しい機能ですね。
ちなみにDJIのOsmo Actionは前面と背面に液晶があるため同様のことができます。(もちらん360度動画撮影はできません)
GoPro MAXの実機レビュー
いよいよGoPro MAXの実機レビューです。
今回のために、新品のGoPro MAXを購入しちゃいました。
GoPro公式(日本サイト)で購入して3日で到着。早い!
ちなみにアクセサリーもまとめて買ったのでかなり大きい段ボールです。
梱包票にはシンガポールと書いてあります。

段ボールを開封すると、GoPro MAXとアクセサリーがたくさん。

それではGoPro MAX本体から開けてみます。

パッケージは黒を基調としておりかっこいいです。「MAX」の文字が輝かしい(笑)。
すでにパッケージ上部から本体が見えていますね。
開封すると、GoPro Plusへの加入を促す紙が。

補足:GoPro PLUSとは
月額500円のサブスクリプションで下記サービスを受けられます。
- 無制限のクラウド ストレージ
- GoPro故障時の保証
- 「gopro.com」での購入に限りGoProアクセサリーが50%オフ。
一部アクセサリーが半額になり、もしもの時のために故障時の保証もあるため、私は即加入しました。
付属品は下記の通りです。

- GoPro MAX カメラ本体
- マイクロファイバー バッグ
- USB-C ケーブル
- サムスクリュー
- 充電式バッテリー
- 保護レンズ x 2
- レンズ キャップ x 2
- 粘着性ベース マウント (曲面)
- マウント用バックル
本体を実際に手に取ってみると、想像以上に軽いです。すっぽり手に収まるサイズ。手に馴染む質感がまたいいですね。

レンズが2つあるためGoPro HERO8よりかなり重いと思っていたのですが、その差は28グラムしかないようです。
- GoPro MAX:154グラム
- GoPro HERO8:126グラム
- Osmo Action:124グラム(カメラフレームなしの重さ)
こちらはGoPro MAXの特徴、前面と背面にある2つのレンズ(デュアルレンズ)です。


ちなみに私は、本体内蔵レンズを汚したくないため常に保護レンズをつけるようにしています。

保護レンズを付けたまま撮影することもありますが、今のところ大きな影響はありません。(多少映り込みが入ることはあります。)
本体にはボタンが2つだけのシンプル設計!


他の一眼カメラなどはボタンだらけで、どこにどんな機能があるか分かりにくいですよね。
ちなみにmodeボタンは電源のON/OFFや「タイムラプス」、「ビデオ」、「写真」の各モードを選ぶためのボタンです。
ただこのボタン、少し押しづらい印象です。ボタン中央を押さないと反応せず、電源が入らないことがありました。
側面にはバッテリー収納部があります。

バッテリーのドア(フタの部分)にあるドアロックをはずして赤色にします。

この状態でドアロック部ごと下にスライドさせればドアが開きます。
なおドア部分は本体とつながっているので、紛失する恐れもありません。

バッテリー自体には手でつまむ部分があり取り出しやすいです。

GoPro MAXバッテリー容量は1900mAhです。
デュアルレンズである分本体が大きいため、他のアクションカメラと比べて容量が大きいです。
- GoPro MAX:1,600mAh
- GoPro HERO8:1,220mAh
- Osmo Action:1,300mAh
バッテリーの持ち時間は、GoPro公式では最大115分となっています。
容量が大きくなっているとはいえ、360度撮影は通常より電池を消耗するため、バッテリー残量は常に気にするようにしましょう。
バッテリー収納部にはmicroSDカードスロットとUSB-Cポートが配置されています。

microSDカードは出し入れし辛いです。とくに取り出すときは爪で奥まで押し込み、カードが飛び出たのを確認してから抜き取りましょう。
またバッテリーを交換したあとはドアロックを上にスライドして戻しておくのを忘れないようにしましょう。
カメラの下側にあるのが折り畳み式フィンガーです。

折り畳み式フィンガーとはマウント(アクセサリーなど)を取り付ける部分のことです。
GoPro 8やMAXからは、フィンガー部分をカメラ本体に収まるように折り畳めるのです。
これはヒジョーーに便利!
HERO7まではこれがなかったため、マウントを取り付けるときは専用のケース(フレーム)が必要でした。
これはOsmo Actionにはない素晴らしい機能だなあと思います。
マウントのつけ方はとても簡単。

GoPro MAX 折り畳みフィンガーを引っ張り出して

GoPro MAX 折り畳みフィンガーに他のマウントを合わせます。

側面にある穴に……。

付属のネジを回しつければ取り付け完了!
ちなみにGoPro HERO7ではフレームをつけたままではバッテリー交換やケーブル接続ができませんでした。
毎回フレームを取り外すのは面倒なため、その辺のわずらわしさが解消されているのも高ポイントですね。
次はタッチスクリーンです。

タッチスクリーンは動作が軽快でスワイプもしやすいです。
操作はスマホと同じですし、違和感なくすぐに慣れると思います。
前後のショットガンマイクを含めた6つのマイクで360度をカバー
本体には合計6つものマイクがついています。
これら複数のマイクによって360度の環境音を拾っているのですね。
そのうち前面と背面には1つずつ高性能ショットガンマイクが配置されています。


ショットガンマイクとは一方向の音を綺麗に拾うのに適したマイクです。
周りがうるさい状況でも、会話している人の方向にショットガンマイクを向けることで、その会話をクリアに集音できます。
前方だけでなく背面にもショットガンマイクがあるのはありがたい!
自撮り撮影時でも自分の声をクリアに拾えます。やはりYoutuberに最適ですね。
しかもウインドノイズ低減機能のおかげで風切り音も大幅にカットされます。
環境音をしっかり残したい、会話もクリアに録音したいなどの要望に応えてくれます。
(なお2つのショットガンマイク以外に4つのマイクがありますが、それぞれが本体のどこに配置されているのか分からずでした。。わかる方教えてください!)
これぞGoPro。MAX HyperSmooth(ハイパースムーズ)でほんとにブレない!
手ぶれ補正に定評のあるGoProですが、 MAXも期待を裏切らない性能です。
それどころか、MAX HyperSmoothというHEROシリーズよりさらに強力な手振れ補正を実現しています。

手ぶれ補正は動画の一部をバッファとして活用することで実現しています。
GoPro MAXは180度撮影ができるほど画角が広いため、補正範囲を多く保持できます。
そのためHEROシリーズより強い手ぶれ補正機能を持っているのです。
試しに神楽坂の坂道を全力疾走してみました。
左がMAX HyperSmoothを「オフ」、右が「オン」にした動画です。
右の映像を見ると一目瞭然!全然手振れしていませんね。
なおMAX HyperSmoothはHEROモード時のみ使える機能です。
360度モードでも高い手振れ補正機能を体感できますが、MAX HyperSmoothは選択できないようです。
アプリの使い勝手もグッド!簡単に高品質映像を作成できる
GoProで撮影した360度データは、スマホアプリで簡単に編集可能です。
繰り返しますが、本当に簡単です。
GoProアプリで編集モードに入ると、下の画像のような画面になります。(ちなみに今回は築地で撮影した映像を編集しています。)

現在0分0秒の位置(スタート位置)ですので、左にスワイプして好きなフレーム(動画の位置)に移動します。
そして角度変更やズームイン・アウトなどを行い、画面上の好きな位置に好きな角度で移動します。

最後に真ん中のひし形マークを押します。(このようにフレームにキーを打つ作業のため、キーフレーム編集といいます)
この作業を繰り返すだけで、ひし形マークの箇所を繋ぐように自動的に補完された動画が出来上がるのです。
最後に編集画面右上のメニューから、iPhoneであれば「写真に保存」を選択すれば動画データが完成します。
完成した築地動画はこちら。
いかがでしょう。スマホで直感的かつ非常に簡単に動画制作ができました。
編集はすべてスマホ上で完結できる点も良いですね。
GoPro本体から一度転送さえしてしまえば、あとはずっとスマホで編集ができます。
パソコンは必要ありませんし、ソファに横になりながら気軽に動画制作が可能です。
今まで動画編集をしたことがない人でも直感的に操作できますし、それでいて非常に面白い映像を作れるのです。

360度データの場合、GoPro本体からスマホへの転送はそれなりに時間がかかります。
数分から数十分かかる場合もありますので、気長に待つようにしましょう。
まとめると、下記の作業で誰でも簡単に高品質映像がつくれます。
- GoPro MAXで360度撮影
- 360度データをGoPro MAX本体からスマホにコピー
- GoProアプリで360度データを好きなように編集
- 右上メニューから「保存」を選択
GoProを使いこなすにはこのアクセサリーがおすすめ
私がGoProと一緒に愛用しているアクセサリーは下記の通りです。
- 3-Way(「グリップ」「延長アーム」「三脚」の三役)
- デュアルバッテリー充電器 + バッテリー(必須!)
- Seeker(シーカー。バックパックのこと)
- El Grande(エルグランデ。97cmの延長ポールです)
とくにオススメは「3-Way」と「デュアルバッテリー充電器 + バッテリー」。
「3-Way」は1つ持っておけば、カメラを持ちやすくするグリップ、約50cm延長できるアーム、三脚の3つの機能を使えます。
そもそもアクションカメラを裸で持って撮影することは少ないと思いますし、私はほぼ毎回使っているのでオススメです。
また360度撮影はバッテリー消費が激しいため、数時間単位で撮影する場合はバッテリーも買っておきましょう。

今後、本体と一緒に買うべきアクセサリーを別記事にて詳しく紹介予定です!
唯一気になるのは……強いて言えば画質!
GoPro MAXで気になる点を強いて言えば画質です。
GoPro MAXをHEROモードで使用する場合、最高画質は「2560×1440」で4K(3840×2160)ではないのです。
- 3840×2160(4K) ←GoPro HERO8はこっち
- 2560×1440(WQHD) ←HEROモードではこれ
- 1920×1080(フルHD)
ざっくりいうと「フルHDよりは良いが4Kほどではない」ということ。
2560×1440の時点で非常に綺麗なのは間違いないのですが、「360度映像よりもとにかく画質を重視したい!」という方はGoPro HERO8を購入したほうが良いでしょう。
アクションカメラを買うならGoPro MAXがおすすめ!
というわけで私一押しのアクションカメラGoPro MAXのレビューでした。
まさにGoProの技術をMAXまで詰め込んだアクションカメラと言えます。
とくに360度動画撮影というロマンあふれる機能に触れてみたい方、今のうちに360度動画編集を使いこなしたいと考える意識高いそこのアナタにこそ使ってほしい!
GoPro MAXを使って、これまで撮れなかったようなシーンの撮影にぜひチャレンジしてみてください。
GoProは2019年の日本でのアクションカメラ年間販売数シェアが75%と大人気なんですよ。